関ジャニ∞らしさと「元気」

 発売から二週間が経ちました、「関ジャニ∞の元気が出るCD‼」。タイトル発表されたときの「パロディじゃん」「これがタイトルなの??」という感情も思い出されますが、それ以上に、なにより、確かに元気が出る。とんでもなく強いアルバムだな、と思ってここにいくつか、アルバムを聞いてツアーに臨む前のいま、ひとつ思ったことを書いておきます。

 いわゆる新規のわたしが、アイドルというものが作られているものだということに気付いたブログです。今回のアルバムでようやく気が付きました。アイドル楽しい。

 

そもそも「関ジャニズム」とはなんだったのか

 昨年関ジャニ∞10周年の、アルバムタイトル、そしてツアータイトルであった「関ジャニズム」ですが、そもそもなんだったのか。結論として、関ジャニ∞はどういう定義づけをしていたのか。これを分かっているファンは少ないのではないでしょうか。

 ちなみに、わたしもよくわかりませんでした。「思いを届け続けること」とコンサートの挨拶ではメンバーが言っていましたが、「関ジャニズム」「関ジャニ∞らしさ」としてそのまま受け取っていいのか、わかりません。けれど、わからなくて当然だ、とわたしは思っているので、(だって関ジャニ∞じゃないし)わかるまで考えていようと思います。

 ただ、わたしが感じた関ジャニ∞らしさ、というのがあって、それは「外から作られるもの」だということです。それぞれが、「関ジャニ∞」というグループに対して「らしい」と思うなにかしらの印象があって、それら自体が正しく関ジャニ∞というグループそのものであるとしているのではないか、と思うのです。そのイメージこそが、「関ジャニズム」「関ジャニ∞らしさ」である、と。関ジャニ∞から「関ジャニズムとは、関ジャニ∞とは、こうである」と限定されて提供されるのではなく、関ジャニ∞に何かを求める人が見る関ジャニ∞の姿こそが、その「何か」こそが「関ジャニズム」である。ファンからのイメージ、世間からのイメージ、等々。「関ジャニ∞」というパブリックイメージを壊さずに背負いこむ覚悟が、彼らにあるのでしょう。つまり、なんでもない。ということです。なんでもするし、なんにでもなれる。「関ジャニ∞」という名前を持っている彼らに、意味をもたらすのは、彼らではなくその周りなのではないか、ということです。

 たったそれだけの単純なことに、わたしはどうして今まで気が付かなかったのだろう、と不思議でなりません。

 

関ジャニ∞といえば「元気」

 ということでしょうが、彼らの性格について「わてら陰気な関西人」*1という言い得て妙なフレーズがファンの間で言われています。そのあたりは割愛しますが、世間的には元気というイメージが先行しがちな関ジャニ∞が実は元気なばかりではない。のにも関わらず、この11周年、2015年に「関ジャニ∞の元気が出るCD‼」と銘打ったアルバムが発売される頓珍漢さ。まだ言いますか!? とでも言いたくなるような元気の押し売りに、マジかよ、と思っていたのも正直なところあります。

 去年のアルバムコンセプト、覚えていますか? 「おもちゃ箱」です。その前の年が「JUKE BOX」。とにかくなんでも入っていますよというアルバムばかりです。今年は「元気」。別段取り立てて、例年とコンセプトが違うかというと、そうでもない。年々増えていく著名なバンドやアーティストに楽曲提供してもらって歌う「らしさ」、が押しつけのように思えたりもしましたが、今年のアルバムを聞いて、そういう次元ではないのだ、と知りました。そういう次元じゃない。

 感じ方は人それぞれだとは承知していますが、著名なアーティストが「関ジャニ∞」というものをそれぞれ表現されて、それをわたしたちは一種のエイトの「イズム」として受け取っている。関ジャニ∞はある意味どこまでも媒体でしかないのではないか、と考えました。今まではレコード会社が作ってきた楽曲イメージを、分かりやすく「外」である著名なバンドの方々に踏襲してもらうことで、成長させる。彼ららしさは、彼らが作るだけじゃない。大きくなったからこそ、内外問わずたくさんの人に作ってもらえるのだ、と。

  だから、関ジャニ∞は「元気」なんです。世間が彼らに元気でいて欲しいと思う限りは。

 


とはいえ可愛いから仕方がない

 言葉で読むより聞いたほうが早いとわたしの中で評判の「関ジャニ∞の元気が出るCD‼」の、最後の曲である「元気が出るSONG」。この曲にどう文句をつけようとしても「かわいすぎる」としか言えないので困っています。散々今まで書き散らかしてきた詭弁のようなブログすら、もうどうでもいい。今回のアルバムにはメンバーが作詞・作曲に携わったものも多くあり、外と内のバランスがうまく取れているような気がします。楽曲提供と言われたものの数の多さにしては、他人事っぽくない。その理由は、それらの楽曲の濃さなのだろうと思います。ただ、関ジャニ∞が元気なのは楽しいから全然良いですしこちらも元気になるし、最高なので構わないんですけど、それに比べてこの錦戸さん主導で作られた「元気が出るSONG」、正直、ぜんっぜん元気出ません。

 錦戸さんが主となるメロディーをあらかじめ作り、そこにメンバーが順にリレー方式で歌詞を書いていって作られた曲なのですが、サビを書いているのが錦戸さんで、彼の関ジャニ∞に対する思いの深さが目に見えるようで、「元気とは…?」と辞書で引いてしまいたくなるくらいに、切なくなります。けれど、聴きながらどうしようもなく関ジャニ∞が愛おしくなって好きだなあと思ってじんわり染み入るような元気を貰える、そんな歌です。そう思うのはファンだけじゃないんでしょうね。

 永遠に「ずっと一緒」だといいですね、きっとそうだと思いますよ。

 どうしようもない無茶苦茶でバカみたいな元気の根源に、そういう丁寧な切実さがあると実感させられて、これこそ、関ジャニズムなのではないかな、とこっそり思ったり、しました。

 

 

 

ほんとうは

 もっといっぱい言いたいこと、ユニットのことだとか、アルバム収録曲への感想とか、特典のこととか、サムライせんせいの主題歌「侍唄」のカップリングとして今日情報解禁された「Heavenly Psycho」の新録リアレンジのこととか、あったのですが、またにします。楽曲は歴史を持つものとはいえ、いろいろありますね。編曲者に「錦戸亮」という名前があるせいで、よけいに。彼の好きな関ジャニ∞の楽曲トップ3といえば「LIFE~目の前の向こうへ~」「BJ」そしてこの「Heavenly Psycho」というイメージがあるので、大切な曲をもっと大切なものにしてくれるのだろうと個人的には楽しみでしかない、です。メンバー演奏だし。もちろん、それはわたしの性格ゆえであって、どうしたって古参の人が戸惑ってしまうのもわかるので、コメントと発売日を待つばかりですね。






 

 

 

*1:「TAKOYAKI in my heart」という楽曲の一部をもじったもの