加藤シゲアキがいるということ/「できることならスティードで」感想
感想…? 感想ポエム…? 自分メモです。
ろくでもない文章を書こうとしていることだけは確か。内容については読めばわかるので特に言及しません。こういう時期なので、現場の予定がなくなって時間はたくさんあるはずのに、そうなると好きなものばかり読んで寝て読んで食べて寝て、の暮らししかできない。とはいえ、仕事は在宅にも出勤自粛のかたちにもならず、しっかり出勤してフルタイムで働くのに、なぜだか読んで寝てのあいまに仕事をしているような感覚。すべてが現実逃避なのかもしれんな。アウトプットのやり方を忘れました。
ハワイ行きたかった、と、5月のシフト表見ながらちょっとだけ凹んだ。
エッセイ。いままで他の人のとか読んだことないわけじゃなかったけど、それとは全然違うなと思った。そりゃまあ好きなアイドルの書いたものだから当然っちゃ当然だとは分かってる、けど、なんというかそれ以上に、エッセイというものはこういうためにあるのか、と思い知ったところが大きい。
発売発表時のこの記事にある「すべての悩める人の『人生という旅』の伴走者ともなりうる、著者の新たな代表作が誕生しました。」という一文。「伴走者」、ばんそうしゃか~~~~~、伴走者、ああそう伴走者、と、どっちがさきだったか思い出せないけれど「クローバー」聞いたときにも似たようなことを思った気がする。「真摯」。
エッセイってただの日記的なものだと思ってた。なんでも読むことは面白い、書かれているものを読むことは面白い、興味のあるひとの考えていることを読むことは面白い、それくらいかと思ってたし、それでさえ十分すぎるほどだと思ってた。でも全然違った。ここまで思うのは好きなアイドルが書いたからだ、と思うけど。だって、このエッセイが始まったときからずっと連載を追っていて、エッセイのなかで触れられている仕事のほとんどをリアルタイムで見てきて知っていて、思い入れなんてありすぎるくらいある。ありすぎるくらいにある思い入れの裏側で、妄信的に敬愛するアイドルにもアイドルとして生きてきた以外の過去や生活がある、というのを活字で知らされるのは、当然ありえる事実として想像するよりもずっと、切実な実感をもたらした。想像するだけじゃ足りない実感だった。目の当たりにした。同じ時代を生きているのだという実感。あ~~これか、と思った。
エッセイに書かれたようなこと、もちろんわたしは経験したことないことばかりだけれど、それでも違う世界のことじゃなくて、同じ時代に生きる違うひとのはなしで。そういう違うひとのはなしって、ちょっと心強いなって思った。
お守りだよ、もはや。エッセイっておまもりだったんだな~~って。死ぬほどいっぱいおまもりにしているものあるけどオタクってそんなもんじゃない? 電子書籍でも文庫でも単行本でも絶対に手放したくないと思う本が何冊かあるけれど、間違いなくそのなかの一冊になった。自分が将来どこに住んでもなにをしていてもどんなにものを手放しても、本棚に残しておきたい一冊。本棚にその一冊があるところを想像したり頭のなかで開いてページを思い起こそうとしたりするだけで、なんとなく、背筋が伸びるような、大きく呼吸ができるような、そんな感じ。たしかに「伴走者」、思い起こせば、たしかにそうかもしれない、と思った。
わたしの本棚に並んだお気に入りの本のなかに「できることならスティードで」があるということ、たしかに加藤シゲアキというひとのファンでいるという事実。今年がどれだけうんざりする耐えるだけの年になったとしても、それらの事実があまりにもわたしのなかで輝いているので、すまんけど、大変申し訳ないけれど、それだけで今年がんばれって言われてもまあ全然頑張れるような気がしてる。たぶん。同じ世を生きている。いや、どうせ生きられるならもっと良い時間を過ごしたいというのはたしかだけど。それでも。
「クローバー」の寄り添うような歌詞もそうだけど、「できることならスティードで」の宣伝文句に「伴走者」という言葉が選ばれることもそう、なんだろう、なんなんだろうな、どう足掻いても彼には追いつけないし逆立ちしてもああはなれないのに、それでもどこかで、彼なら「わかってくれる」みたいにして思うことがある。どうしようもなく思うこと、どうにもできないことのまえで歯がゆく思うことがあるってこと、ものすごく好きなものがあってそれが自分を生かしてくれること、そういういろんなこと分かってくれるんじゃないか、みたいな。漠然と「こちら側/あちら側」の線を引いたとき、ついついこちら側にいれてしまいたくなるような感じ。なんなんだろう。憧れなのかもしれない。こちら側のずっと先を行くひと。どうせならもうちょっと足掻いて頑張ってみてもいいんじゃないか、せっかく同じ世を生きているんだから、みたいな、さあ。そういうとき思いだすひとつの指針みたいなひと。
は~~~~めっちゃすき、ものすごく信頼していることを痛感してしまった。シゲアキさんの持つ「結果」じゃなくて、物事に向き合う姿勢というか考えることを止めないところにずっと憧れている。は~エッセイが本の形になるってすごいことだな、一生大事にする。はあ。